もうこれまで何度も散々やってる内容なのに改めて1からやります。
これまでの動作チェックとは異なり、実運用を目指したインストールです。
と言ってもFDDからHDDへのインストール作業そのものは動作チェックの時と何も変わりません。
とりあえず手持ちのCFすべてにインストールするのですが、1枚だけまともにインストール、その他はフォーマット時にシステム転送だけして終了。
まともにインストールした1枚に対しきっちりと設定してやります。
が、標準のSEDIT(PC/AT互換機版だと"EDIT"、X68kだと"ED")だと妙にイラつくのと、このころはキーボードのキートップが全部外れた状態となっており死ぬほど操作し辛いこともあり、インストールが終わった直後の状態のCFをDD for Windowsで吸い上げ、Disk Explorerで「AUTOEXEC.BAT」と「CONFIG.SYS」を取り出し、慣れた操作体形のWindowsのサクラエディタで編集します。
そしてVectorから便利そうなツールや今後の運用で必須になりそうなものをあらかたダウンロード&解凍、昔に発見したMDX、FMP、PMDのアーカイブ集やMAGやPICのCG集、そして何故か残っていた昔のHDDのバックアップ(実は過去の一時期PC-98を所有していました)から各種ツール類やゲームをいくつかピックアップして、メインPCのHDD内に「最終的にCFに収める構成」で構築していきます。
ディレクトリのネーミングルールや常用アプリの配置とか結構滅茶苦茶ですが、ゲーム以外はWDのカスタマイズとAUTOEXEC.BAT/CONFIG.SYSの記述さえしっかりしておけば実用上はあまり問題ありません。
(ただあまりに乱雑だと今度は管理上の問題が発生しますが)。
更新日時の時刻を見ると、割と規則正しい生活を送っていることがお判りいただけるかと思います。
MS-DOSアプリケーションの格納だけなら特に何も気にする必要はないのですが、今現在出回ってるデータアーカイブを展開/格納する場合は要注意です。
MS-DOS標準のFATおよびDisk Explorerは、ファイル名のルールが厳格に「8.3形式」となっており、拡張子より左側の9バイト目以降および拡張子の4バイト目以降は無視されてしまいます。
例えば「12345678.123」と「123456789.123」と「12345678.1234」はすべて「同じファイル名のファイル」として扱われてしまうため、そのままDisk Explorerから書き込もうとすると上書き確認が入ります。
一応DOS上だけでやりとりする場合はDOSLFNというアプリケーションを常駐させておけばWindows上で使うような長いファイル名も取り扱いだけは可能になるのですが、Disk ExplorerはDOSLFNの存在など見てくれないのでWindows上で予めファイル名を短くしておく必要があります。
そこで「大体なら」一撃でなんとかしてくれるFlexible Renamerを使います。
ここで最低限ディレクトリ名だけは8バイト以内でユニークになるように調整します。
ダブるといっても2桁には達しないので、私は6バイト目までオリジナル、残り2バイトは「_x(x=1桁連番)」で8バイト以内のダブリを回避しました。
FMPデータのPCM音色セット(*.PVI)は一か所に集めて環境変数でそこを参照するようにAUTOEXEC.BAT上でSETコマンドで仕込みました(それでもPVIを見つけられないファイルがあって今色々見直し中ですが)。
PC-98なので起動ドライブが必ず「A」になるため、Aを参照していますがHDDです。
※Windows98はHDDをCへの固定が可能。Windows2000は新規だとCに固定されます。
ハイメモリ領域へのアクセスは標準のHIMEM.SYS、EMM386.EXEではなく、フリーソフト「VEM486」を使いました。
この時代の実行ファイルで500KBを超えているようなものはそれほど無いのですが、600KB近く開いていれば大きさが問題で起動できないという事象を回避できるためです。
で、このままでは曲1つ鳴らすのに毎度音源ドライバの常駐→PCM拡張ドライバの常駐(PMDだと順序が逆)→playコマンド→(次の曲のPlayコマンド)→停止コマンド→音源ドライバの常駐解除の繰り返しを手でコマンド打たないといけないので面倒です。
特定フォーマット固定演奏なら色々聞き終わるまで常駐解除無しでリスト演奏もしくはEnterキーたたくだけで良いのですが、違うフォーマットの聞き比べとか混在ディレクトリとかには対応できません。
また、曲聞きながら絵を見ることも難しいことから、ファイラーと呼ばれるユーティリティを導入します。
私が98を所持していた頃、人から勧められたのはFDもしくはFilmtnばかりだったのですが、当時は98でごちゃごちゃした作業するのがイヤだったのでどちらも入れるだけ入れて何もカスタマイズせず放置しておりました(既にWindowsPCを使ってましたし)。
そして今はそんなことはすっかり忘れてWDを導入しました。
他のファイラーとの比較なんぞしようもないのですが、強力なカスタマイズ機能という言葉が気に入っての導入です。
昔のPCの狭い画面では長すぎる定義ファイルは振り返って見直すのも面倒でしたし、当時これを知っていても多分使ってなかったでしょう。
今は高解像度のだだっ広い画面で編集できるので全く苦痛じゃありません。
DOSマシンとしてはそこそこパワーのある機体ですし可能な限り良い音で聞きたいのでPCMの音質は最高にしました。
Windowsで使うにはハゲそうなほどどんくさいマシンですが、DOS上でならODPの威力もあってか余裕です。
ちなみに友人はこのマシンにWindows95入れてMP3聞いてたのでDOS上でリニアPCMを多重で鳴らすくらいなら大丈夫でしょう。
この定義ファイルを見ながら、足りない実行ファイルはVectorからダウンロードし、とりあえず「A:\BIN」に放り込みます。
Vectorにない物や機能として重複するものは互換性のある別のものを探して導入しました。
こうしてプロトタイプを今一番操作しやすい環境下で構築し、ディスクイメージに移します。
早速CFに書き戻したいところですが、前述のとおり、この時点の98はキートップが全部外れており、誤りがあって即修正したい時に不便極まりないのでここはエミュレータを使ってそちらで動作検証及び即時修正を施します。
DD for Windowsで出力されたディスクイメージはそのままではエミュレータでは使えませんのでNHDGENを使い、T-98Next形式に変換します。
変換後、T-98Next形式のHDDイメージが使えるエミュレータを使用しおもむろに起動します。
よほどのことが無ければ綺麗に立ち上がるはずです。
そしてエミュレータ上で「自分の思い通りになっているか」を一通り試します。
CONFIG.SYSはインストール時に自動で生成されたものをちょっといじるだけなので大体大丈夫なのですが、AUTOEXEC.BATは肝心な部分でPATHを定義し忘れているディレクトリがあるので油断できません。
そしてその修正するのにいちいちDiskExplorerで取り出してたら面倒くさいので、DOSのエディタでその場で書き換えてしまいましょう。
もちろん書き換えが済んでその後の動作検証に問題なければDiskExplorerで取り出しましょう。
こういう作業を繰り返し、納得できる環境が整ったらDiskExplorerで変換元のディスクイメージに書き戻し、DD for WindowsでCFに書き込んであげれば環境構築は終わりです。
実機でとりあえず起動。
燦然と輝くCx5x86の文字。
DOSKEYを仕込んでおくとWindows2000以降のコマンドプロンプト(cmd.exe)のような操作性になります。
カーソルキーでコマンド投入履歴を遡れますので、パラメータ違いで次から次へと同じようなコマンドを投入しやすくなるので便利です。
CFのようなシリコンディスクを毎度全量書き換えるのは耐久性を下げる要因になるのですが、正直この手の作業を1日10回毎日やり続けるとかでも無ければそう心配しなくて良いです。むしろ放置による揮発の方が危ないくらいですし。
出来上がった環境のコピーはメインPCにありますのでCF壊れてもすぐ元に戻せます。
更にこれをクラウドサービスなんかに保管しておけば、ほぼ一生物のバックアップがある状態になり、気分的な安心感が倍増します。
さて、この一連はハウツーというより読み物的な感じを重視したため、作業のトレースにはあまり向いておりません。1つ1つは大したことない作業をさも難しいことやってそうに見せるため余計な記述を散りばめておりますし。
が、それではあんまりなので次は結構実用的な実機とエミュの相互利用についてまとめてみます。
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