一気に期間が1か月近くなっていますが、必要なパーツや部品の注文→到着のローテーションがほぼ1週間単位ですので、やってる内容そのものの分量は少しだったりします。
1.FDDの交換
交換用のFDDが届いたので交換します。
まずは比較。画像の左側が新しい方で右がもともと付いていた方です。
パッと見でいきなり違います。
製品名(型番)は同じのようですが、大丈夫なんかコレ・・・。
底面。同じく左が新しい方。
いやこれなんかもう全然違うんですけど・・・。
と、不安がっても仕方がありません。
ざっと調べたところでは、NEC製の別の型番(FD1231-T)の互換製品だそうで、受け取った信号の処理と返す信号が同じなら構造が違っていても問題は無いはずなので、互換の互換で大丈夫だと思って先に進みます。
ジャンパピンをドライブ番号0(DS=0 (参考))になるように付け替えます。ガワを外さず出来るかと思いましたが、ピンセットではうまく外れてくれそうになかったのでガワを外しました。
ちなみに出荷時の設定ではDS=1になってました。
次にボタンを付け替えです。これをしないとフロントカバーに収まりません。
ドライブのフタを指で引っ込めながら、ボタンを摘まんで上にスライドさせるだけで取り外せます。取り付けはその逆です。
上下逆には刺さらないので何の問題もなく取り付けられるでしょう。
ただこの時は黄ばみ抜きのためすぐ取り外しました。
FDDやケーブル類をもとの位置にセットしなおしますが、FDDはこんな基盤に刺さっておりました。
写真の上左端のフラットケーブルの先がCバス上のFDDコネクタで、そのすぐ右横の空きコネクタがFDDと繋がっておりました。
この基盤は外付けFDDボードらしいです。
最初から刺さっていたので無しでの運用が可能かちょっと不安があったのですが、とりあえず外してFDDとCバスのFDDコネクタを直結させます。
そして電源ONしてMS-DOSのインストールを試してみます。
問題ないどころか音もかなり静かですし、心なしか速度も速かったような・・・。
BREAK
いままでの段で書いていなかったこととして、最初から全Cバスを埋めていたボードについて書きます。
1つは上にある増設FDDボード。2つ目はメルコのSCSIボード(IFC-NN)で、3つ目は正体不明のLANボード。
実は真っ先に外したのはSCSIボードでした。SCSIボードが刺さっている時、内蔵IDEを全く認識しないのです。正確にはSCSIボードのBIOSをOFFにしないと、ですが。
HDDが内蔵できる、もしくは内蔵IDEと比べて顕著に有利になるならこちらを残す選択をしたのですが、このSCSIボード、肝心要のHDD容量制限の大幅緩和が不可能なロットだったのです。
実際に現バッファローのサイトからダウンロードしてきたファームウェア書き換えツールを使っても、ボードを認識するだけでファーム書き換えツールが全く動きません。
SCSIの方が転送速度が速い(10MB/sec。IDEは8MB/sec)のですが、ボードを改造しないと内蔵化できないこと、現行機器と接続するためのコネクタ類がIDE2CFと比べて桁違いに高いことから内蔵IDEで運用していくことに決めました。
転送速度が32MB/secくらいあれば考えたのですが、25%増し程度では100KB未満のファイルを扱うことが大半のDOS運用では全く体感差がありません。差が出るのはデータを読みだしてメモリ上に展開されるまでの箇所だけで、メモリから先の処理にまで影響はありません。100KBのデータを処理するのにかかる時間の差は0.0025秒で、JPEG画像だと画像サイズによっては5秒以上かけて表示するので、仮に5秒だとしても5.0125秒vs5.0100秒となり0.05%程度の差にしかなりません。これに読み出し時のオーバーヘッドが共通する処理時間としてかかるので軽い処理を多くこなす場合でも同様に差はないと考えて良いでしょう。
ではSCSI化は全く無意味かというとそうではありません。1MB以上のファイルをOSが扱う(特にフォント)ことが多いWindows95(OSR2.1)以降では、インストールだけでも大きな差がつきます。
また、PC-98と今使っているPC相互に頻繁にデータをやり取りする運用を考えている場合も毎度全量書き換えのCFよりはずっと楽に可能になるでしょう(20年ほど前までX68kとWindowsPCを併用していた時はFAT16/FAT32のパーティションを共用パーティションとしてSCSI2のHDDを「切り替えて」使っておりました)。
それにSCSIは増設が容易でボードによっては内蔵の8倍近い容量のものも扱えます。
最近ではSCSIドライブとして使えるミニ・コンピュータ(RaSCSI)というものがあり、98にデータを送るのに高速かつ無線で飛ばせちゃったりするのでバッキバキに使い倒すつもりでしたらむしろSCSIの方がお勧めだったりします。
ですので、一律にどっちが良い悪いではなく、搭載CPUと使うOS、想定している運用と懐具合を相談して決めると良いかと思います。
<IDE>
良い点
・SCSIより安く上がる
・内蔵なのですっきりまとまる
悪い点
・何をどう頑張っても4つまでしかドライブを取り付けられない
(PC-9821Cxの場合、2つか3つで考えた方が良さそう)
・容量の壁を超える手立てがない
・SCSI向けの便利な機器が使えない
・Windows利用では遅さが気になる
あまり気にしなくていい点
・DOSでの転送速度
<SCSI>
良い点
・インタフェースボード次第で大容量(最大32GB*7)が扱える
・インタフェースに依らず7台までドライブを増設できる
・他のコンピュータから無線でデータを流し込める機器がある
悪い点
・コストがかかる
・内蔵ドライブが使えなくなる(機器によるかも)
・Cバススロットを1つ占有する
・基本的にはドライブは全部外付けになるので見栄えがイマイチ
さて、今回のPC-9821Cx復活は、単にハードとしての復活を目指すだけではなく、メインPCでやっている日常の処理の一部をやらせることを考えています(その内容はまた後程)。
正直それもその辺の中古PC屋で1万~2万で買ってきたような奴でも出来ることではありますが、そこは98でやるからこそ意義があるような内容で考えております。
それではそれでは、続きです。
2.内蔵電池の交換
内蔵電池はCバスの下にあります。
PC/AT互換機だとコンビニでも買えるボタン電池(CR2032)で単に取り換えるだけで終わりですが、こちらは前にも書いたとおり、充電式です。
出力は同じ3Vですのでコンセントを抜いた状態では目的を達するのですが、コンセントを挿した状態では充電しにいってしまうため、CR2032を使うと本体に致命的なダメージを被る可能性があることから、くれぐれも代用しないようにしてください。
さて、上の写真にはVL2330/VCK以外に一回り小さい電池がありますね。
はい、間違えました。いやVL2330買ったつもりがVL2020をカートに入れて即発送させてて気付いた時には既に届いてから返品しないといけない状況まで進んでおりました。
よって完全に無駄な買い物です。出力が同じなので使えないこともないのですが、容量が小さくすぐ電池切れになりますし、今後の電池交換を楽にするためのアイテムを作成する際に、形が違うのでは何の参考にもならないので今回は使いません。返品するにも送料がかかるし、反省の印としてそのまま手元に残すことにしました。
この一連の記載はお察しの通り、もう色々終わった後で書いており、実はこういう記録も無く、マンガ形式でさっくり終わるネタだけやるつもりでしたので、途中経過の多くは写真を残しておりませんでした。
なのでかなりの割合で写真は「後から撮ったもの」となります。
では作業です。電池を外します。
左の写真の〇の部分です。特に何もしていない機体の場合、その位置にある物体には茶色いカバーに「VL2330」と書かれております。
これを基盤上のコネクタから抜きます。
抜いたら、電池を覆っているカバーを外します。結構硬質で丈夫ですので、ハサミで側面から切り込みを入れ、手を傷つけないように引き裂いてはがします。
カバーが全部とれたらニッパーで電線の電池に最も近い部分(2か所)を切り、電池と線+コネクタを分離します。古い電池はここでお役御免。地域のゴミ捨てルール(電池)に従って廃棄しましょう(電池自体は民生品じゃないので本来なら産廃でしょうが)。
この時、黒の線がどちらに付いているか忘れないようにしましょう。大体は黒がマイナスですが、稀に赤にマイナス結線されてたりするアイテムがあるので、常識を常識のままうのみにせず確認しておくことは重要ですよ。
とテキトーかましながら次は新しい電池から伸びている細い金属板に線をはんだ付けします。
の前に、熱収縮チューブ(細)を線に通しておきます。そして、線の先端を数mm露出させるように、元あったチューブ(線の表面のゴムみたいな奴)も剥いておきます。
そしてはんだ付けです。半田ごて握るのですら30年ぶりで手が震えます。半田ごてから漂う熱と焦げ臭が更に緊張を高めます。まぁビビっていても仕方ないし、基盤と違い少々失敗してもリカバーは簡単なので思い切ってエイヤと電池から伸びてる金属片と線をはんだ付けします。
+側が終わったら少し冷やして線だけ持って落ちないことを確認したら-側もはんだ付け。
はんだ付けが終わっても暫くは半田ごてを通電したままにしておきます。
で、数分経過し熱収縮チューブを結線した部分まで引き上げます。ここでチューブが反応するようだと冷ましが足りなさすぎですが、数分してもそんな反応するような環境では人間生きていけないので今すぐ部屋の空気を入れ替えてください。
で、熱収縮チューブを半田ごてで収縮させます。といってもはんだ付けのようにじっくりやると折角付けたはんだがまた溶けてしまいますので、サッサッサと全体を撫でるように素早くやり、片側の線がある程度締まったらもう片側の線をやり・・・を繰り返します。
熱収縮チューブ部分を軽く指先でつまんでくにくにと動かしてみて浮いてる感じがあまりしなくなったら今度は大きめの熱収縮チューブをボタンの方から被せます。
手持ちの熱収縮チューブの径が足りないようでしたらハサミを内側に挿し込んで拡げます。
ほんの少しなら伸びます。
一気に力を入れると切れてしまうので、慎重に少しずつ伸ばし、伸ばしては電池を入れてを繰り返します。そして電池の最大径ギリギリ通るレベルになったらじっくりとコネクタ側まで引っ張り、はんだ付けした部分が覗き込まないと見えないくらい被ったら電池の上5mmほど残してハサミで切り、半田ごての電源を切り、余熱でチューブを収縮させます。
収縮させる要領は線の時と同じ。また、電池本体にはなるべく当てないようにします。
上の少し余った部分を引っ張って脱げないようになれば完成です。
この電池を最初に取り出した時から基板上に転がるように置かれていましたが、精神衛生上気になる場合は、シリコーン系両面テープやホットボンドで左の画像の右上に見えてる金属プレート上(一段下がった部分のところ。一段上の方はCバスBOXと干渉するので不可)に固定させます。
私はアクリル工作用の両面(シリコーン)で固定させました。
ここで「壊れていた」パーツの交換や補修は終わりです。
が、前出のIDEケーブルがテキトー過ぎる工作でしたし、せっかく沢山のIDEケーブルを入手したことですので再度工作をかまします。
10本セットで買ったIDEケーブルは全ピン結線されており(もしかしたら20と19はクロスさせた方がいいかもしれませんが)コネクタに穴あけが不要な奴でしたので、片側の突起だけを削ります。今回は半田ごての余熱で柔らかくしてからカッターナイフである程度削り、最後の仕上げでヤスリを使ってツルッツルにしてやりました。
壊したメモリカードリーダーの代替品も届き、いよいよ本格始動・・・。
3.動作は問題なくなった、が・・・
実はここまでの間に筐体外部やキーボードの漂白を終わらせるつもりでしたが、この間、連続した3日以上晴天が続いた日がなく、土日のどちらかは必ず雨天という漂白には最悪な状態でした。晴れた日ですら雲量が多く、ただでさえ少ない紫外線量が絶望的で全然進んでおりませんでした。
何もかも終わったら組み立てて壊れるまでは2度と開けない予定でしたので、ちょっとヒマになってしまいました。そこでCFリーダーを固定するステイの自作を考え、アルミ板を買ってきました。
が、利用を予定していたL字型ではケーブルをさしてHDDステイ位置に押し込むとちょっと電源ケーブルやIDEケーブルにに変な圧がかかるのでI字型変換を使うことにしたのですが、こちらはこちらでスペーサーに取り付けるネジ穴やネジ穴開けるだけのスペースがありません。
これを書いているのは3/27なのですがまだどうするか方針が決まってません。
ネジ穴のあるI型はノート用44pinでもう1つ変換が必要ですし、手持ちのI型の基盤に粘着物で固定するのはカードだけ交換する際にちょっとグラグラして気になりそうですし。
あと、更にその先も少し考えていて、CFの交換を本体開けずにやれるようにしたいとも思ってます。
それにはまず変換をどう固定するかを決定しないといけないので、真の完成はまだまだ先になりそうです。
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