2019年5月某日、ヤフオクにて複数のX68000 XVIが出品(通常週に1~2台程度)されてるのを見て、競争率の低い今なら安く買えるかも!という希望を胸に入札。
いやまぁ入札自体は見つける度にしてるんですけどね。
買う気マンマンで入札に挑みます。
買う気マンマンになっちゃったのは1週間前にフルメンテ、入力デバイス2種付き、変換番長内蔵化済みという出物を逃した悔しさのせいです。
結構簡単に着火する漢です。
予算は前の記事にもありますがソフト以外欲しいものがすべて揃った完動品で20万、動くかどうか分からないもので7万、動かないと明示されてるもの5万を上限で検討していました。動かなくても5万出せば直してくれる人がいるに違いないという安易な考えです。
候補は3つでいずれも入力デバイス、メモリやコプロの増設、拡張ボードの類なし。
(1)開始3万で最低落札設定あり。ノーメンテで動くかどうかわからない。外観で目立ったサビ有り。通電時写真なし。本体のみ。
(2)開始1万。ノーメンテで動くかどうかわからない。通電時写真あり(10MHz赤)。リアのコネクタ類はおおむね綺麗そう。本体+マニュアル全種+OS2種(SXWin2&3)。出品代行品。
(3)開始79k、即決149k。外観は綺麗でメンテ済み。
終了時間は上記の順。
まず(1)はここのところ何度も出品されているようで恐らく最低落札価格が異様に高いと思われるので却下。
(2)か(3)で検討したが、(3)に心血注いで(2)を無視すると、もし即決出ちゃった時の精神的ダメージが大きいので(2)にチャレンジ、負けたら(3)という作戦で行くことに。
そしたらあーた、自分が最高価格つけててもうすぐタイムオーバーってところで出てくる出てくる新たな出品・・・。
(3)もなんと1万下げて再出品っておい!おせえよ!どうしてこんなひどいことをするの?byまどかみたいな、複雑な気持ちになり始めます。
正直、予算範囲内ではあるものの、ノーメンテで動くかどうか分からない上、ノーチェック出品代行という故障ロンダリングも疑われる物と同等以下の価格で出てるの見ると、急に後悔の念が湧き始めます。おい誰かもっと上の値段つけろよ!
心の叫びむなしく、無事落札してしまいました。
サクっと簡単決済で支払いを済ませ、届くのを待つこと数日。
出品者から伝票番号の連絡が届く前に不在通知が。
仕方ないので佐川に再配達依頼をして、この日は仕事の「別に無くても良い」用事を帰宅ルート途中に作り、ちょろっと打ち合わせという名の雑談を30分ほどこなして明るい時間に帰宅、暗くなり始めたころ受け取りました。
もうこの時点ではどこの誰に修理依頼して予算はどのくらいかという検討をしており、動く期待などこれっぽっちもしておりませんでした。
で、届いたらおもむろに開梱。
コンデンサがいってたらやべーので、通電したら即電源落とせる体制を整えて、いざ通電!
うん、出品時にあった10MHzのLEDが赤く光りました。こうなると電源スイッチも押してみたくなるのが心情。
ついでに16MHzに切り替えてスイッチON!
緑ランプが光りました。FDDの上も点滅しとります。むむむ、動くっぽい?
電源スイッチをもう1度押すと、速めの点滅を繰り返して電源OFF。
この動きは・・・トキ!じゃなくて昔見慣れたX68000の電源OFF時の挙動そのものです。
はやる気持ちを抑えきれず、98から引っこ抜いたD-Sub15ピンケーブルをXVIに挿し、すぐ出てきたアークス2のディスクAとBを挿して電源ON!
動いとるがな。だけど音がなんか変。
あー16MHzだからかな?10MHzに切り替えてリセット。
うん、よく聞いたアークス2のオープニングです。ADPCMもきちんと再生されています。
やった・・・。入力装置一切ないけど完動品だ・・・。
途中途中のディスクの読み込みも「あれ?こんな静かだっけか?」と思いながらもちゃんとこなしてます。
なんかあまりに普通に動いてしまって拍子抜けです。
とりあえずディスクを抜きます。イジェクトボタンを押すと「ヴェッ」って感じでディスクが吐き出され・・・吐き出されはしたのですが、違和感を覚えるほどシャシャっと吐き出しました。
あれ?X68kのオートイジェクト時ってこんな静かだったっけ・・・。
記憶の限りではもっとこう「メカ動いてますよ」的な音がしてたと思ったのですが。
とりあえず正常に動きそうなのですが、なにせ昔の機械です。
今だけまともに動いた可能性も否定できませんし、バラして中を確認です。
どのみち電源だけは使い始める前に延命化措置を施してもらうつもりでいましたし。
どうやって開ければいいのかすっかり忘れていましたが、シャープが色んなものを公開してくれているおかげで昔ほど苦労せずバラバラになりました。
会員登録が必要ですが無料です。回路図まであります。
外部コネクタの仕様も掲載されていますが、これについては統一規格品であっても本体付属のマニュアルに書かれているあたり、メーカーが「足りないもんはテメーでなんとかせいや」という姿勢を打ち出しているようです。98の付属マニュアルにはないです。
さて、無事バラバラになったことですので、まずは懸念される電源を見てみましょう。
なんつーかもっとこうなんか長年放置してました感があるかと思いましたが割と綺麗なもんです。手前側のでっかいコンデンサの根本あたりに焦げた形跡があるような無いような。
古い電源ユニットと言えば蜘蛛の巣や綿だらけのもっとカオスな空間であることがつきものですが、そういう感じではありません。
まぁでもこれはもうアカンでしょう。爆発も時間の問題です。
さっさと通電やめといて良かった。
とりあえず電源ユニットはカバーを閉じて、輸送に備えます。
他の部分も見てみましょう。
メインボード(向かって右側のタワー)です。
開けたあと清掃もブロワーもしてない届いた直後の状態です。シールドで隔てられた部分とはいえかなり綺麗です。
試しに無水エタノールで軽く拭ってみましたが全く汚れが付きません。
コプロのソケットに何か挿したいなあ。
底部です。こちらも同じく届いた直後の状態のままで清掃もなにもしていません。
YM2151がまぶしい。家電のKENちゃんのFM音源ガチャにチャレンジすること10回、未だに出てきません。
PC-98やDOS/V機、今どきのPC(今時のPCってどう呼べばいいんですかね。DOS/VやらPC/AT互換機とはもう呼べないですし(互換ほとんどないし))と比べると埃の入りづらい構造(悪く言えば通気性がよくない)ですからそもそもが汚くなりづらいのですが、それにしてもちと綺麗すぎやしませんかね?
ブロワーで埃取っ払っただけの清掃レベルではない気がします。
古いPC分解してると指先が真っ黒になるのは付き物なのですが、全然汚れていません。
そしてもう1つ気になったこと。それは内蔵電池。
シールド板の傷つき具合からして何度か手を入れた形跡があります。
FDDの動きも異様にスムーズだったりしますし、思いもよらず結構な良品を手に入れたのかもしれない・・・。
マジ俺ツイてる!(まぁ電源は瀕死でしたけど)
コンデンサ類がどうなのかさっぱり分からないのでどのみち電源が戻って来たタイミングで本体もメンテをお願いしようかとは思っているのですが、メンテに出す前に少し遊ぶだけの時間的余裕も作れそうです。
と、7万でそこそこ程度の良い個体を入手できた喜びをかみしめ、組み戻しを始めましたが・・・。
シールド板のサビだけはやはりどうしても気になるので一晩クエン酸に漬けて赤錆び落として黒化させました。
組み立ては分解より難儀です。
なにせ1つのネジ穴を色々な板やパーツで共有しており、すぐ変形してしまうシールド板の穴の位置があわないあわない(笑)
利便性やコストよりもデザインを守ることに心血注げたこの時代だからこそなしえた造りと言えましょう。
今の時代にはない贅沢な造りです。
昔J&P(最初のX68000を買ったところ)に聞いた話では、プラ型と組み立てにコストかかり過ぎて値段の安いProよりもSHARPの儲けが少ないそうです。本当かどうかわかりませんが。
まぁだからこそ、今でも箱だけで値段が付く(どころかそこそこ良いPCケースが買えるだけのお値段)んでしょうね。
実はこれ書いてる時点では組み立て終わってません。
これから頑張ります。
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