1.はじめに
Raspberry PiをX680x0のSCSIデバイスとして動作させるRaSCSIを導入しました。
RaSCSIを導入すると、
(1)ハードディスク・イメージをX680x0実機のハードディスクドライブとして利用できる
→余剰のSCSI IDの数だけディスクイメージを割り当てることができます。
CD-ROMイメージ(ISO)のマウントも可能です。
(2)X680x0からRaspberry pi上のファイルシステムにアクセスできる
X680x0でデバイスドライバを読み込ませることで可能になります。ただしOS起動後のデバイスドライバによって得られる機能ですので、この部分はブートでは使えませんのでご注意を。
(3)SCSIでTCP/IP通信が可能になる
同じくX680x0でLANボードやRS-232Cポートを用いずにTCP/IPで通信ができるようになります。これについては私は使っていませんので説明できません。
RaSCSIに関する細かい説明は他の方がされているのでここでは割愛するとして、RaSCSIが持つ他の仮想SCSIアダプタと異なる機能に着目して、X680x0を今時のクラウドサービス(ストレージ)に参加させてみようと思いました。
2.RaSCSIの他にはない特徴
RaSCSIが他のSCSIアダプタにない特徴は次の2つだと思っています。
(1)記憶媒体のファイルシステムに直接アクセスできる
ディスクイメージではない生のファイルシステムへのアクセスが可能なので、ホストアダプタと言うべきRaspberry Piからは当然「特に何かをインストールしなくても」直接参照できます。
(2)ネットワークアクセスができる
ドライバを用いることでX680x0からも利用できるネットワーク機能ですが、当然ながら親であるRaspberry PiならX680x0の与り知らないところでもネットワークを使うことができます。
これにより、X680x0に一切負荷をかけることも、意識もすることもなくあたかもバックグラウンドサービス的にインターネット上のクラウドサービスの利用が可能になります。
WebDavクライアントとして動作させれば他のオンラインストレージサービスを同期というステップを踏まずに使えると思いますが、今回は「同期」も1つの目的として構築しました。
3.今回の構築を行うことの利点
(1)X68KtoX68Kでインターネット越しのプッシュ配信を可能に
配信告知はtwitterなりでする必要があるとは思いますが、「本日〇時に一斉配信!」が最小限の負荷で可能になります。
また、共有するファイル・フォルダについては共有相手単位で「変更の可否」を設定できるので、配信相手が誤って更新・削除をしてもすぐ元に戻る(実際には何も起こらない)と思われます(未検証)。
sambaの使用ポートを開放するよりはずっとセキュアかつ簡単にファイル共有ネットワークを構築することが可能かと思います。
(2)X68KのバックアップをX68Kからクラウドサービス及びそこに接続された複数のクライアント上に同時にとることができる
ただし同期衝突や誤削除は今の時代でも発生するので、受け取った側は同期対象外フォルダにシャドウコピーを取るようにした方がいいでしょう。
(3)他のPCやスマートフォン等で取得したデータ/ファイルを外出先から直接X68Kに送り込むことが可能
仕事や移動等外出中にスマホで面白そうなアプリケーションやデータを見かけた際、その場でダウンロードしてOneDriveに保存してやれば帰宅後すぐX68000で使うことができます。
当然スマートフォンで撮影した写真もX68000で即開けます(表示しきれないけど)。
その2に続きます。
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